モラハラ

私にいきなり点数をつけ始めた夫… 【12話】

 

「私、どうしたら
 
0点を取れるか試行錯誤して、
 
とても頑張ったのよ?」

 

 

コウキ

「キヌ子、それは…
 
お前、りこ…りこ…」

 

 

言葉が上手く出てこないくらい

動揺しちゃう夫。

採点中の上からな態度は

どこに行った!?

 

 

「それでいいって私は言ってるのよ。
 
早く0点を出せばいいのに」

 

 

なおも淡々と続ける私。

 

 

コウキ

「な…なら、
 
今日は0点!0点だ!
 
つ、つまりは離婚だ!」

 

 

と叫んで、

部屋に離婚届を取りに行った。

声、上ずってるんですけどォ。

離婚届を持ってきた夫は

大袈裟に息を切らして、

 

 

コウキ

「ほら!お望みの離婚届だ!
 
もう後にはもどれないぞ!

 

 

と、やはり虚勢を張る。

私は粛々と必要事項を記入し、

判を押した。

私の淡々とした様子に

夫はオロオロしだした。

 

 

コウキ

「え…。
 
これを記入したら、
 
俺たちはもう

夫婦じゃなくなるんだぞ…?
 
俺と別れて平気なのか?」

 

 

そんな夫には取り合わず、

 

 

「はい。
 
私は必要事項を埋めたから。
 
次はあなたの番よ」

 

 

と、ボールペンを差し出した。