もはやモラハラの域にまで達している。
馬鹿なことを
さも良いことをしたと思い込んだ夫に
目に物を見せようと決めた。
私は表面上は従順に、しかし着実に
仕返しの準備を進めていった。
そもそも夫は料理以外にも
家事は全くしない人間なのだ。
会社から帰ってくると
スーツは脱ぎっぱなし、
ワイシャツや肌着を
汚れ物用の洗濯籠に
入れることすらしない。
靴下なんて裏返しのまま放っておく。
休みの日だって
コウキ
「疲れてるんだよ」
を口実に、家の掃除ひとつしないんだ。
独身時代は実家暮らしで、
全部義母が家事をしてくれていたから、
「そういうもの」という感覚が
染みついてるんだと思う。
お給料の額もそんなに違わないし、
夫のための家事の一切は
私の愛情そのものだったのに。
夫はそれを採点しだしたのだ。
私にとっては
酷い裏切りにあった気分だった。
それでもしばらくは、
普通に家事を続けた。
私が何かアクションをしなくても、
夫が自ら気づいて
改めてくれるんじゃないかと。
だけど…
コウキ
「今日の弁当も、また手を抜いたな!」
…と言ってきた。
私
「え?今日は玉子焼きの他は
ハンバーグとブロッコリーや
プチトマトをいれて、
彩はきれいにしたつもりだけど…」
コウキ
「ブロッコリーにトマトだろ?
そんなのそのまま
ボンって入れるだけだろ。
ハンバーグは昨日の夕飯も食べたぞ」