反射的に私は反論してしまった。
私
「何を言っているの?
私だって働いてるんだよ?
忙しい朝の時間に
できるだけのことは
してるつもりなのに、
その言い方は酷いじゃない」
コウキ
「お前、そんな甘ったれた気持ちだから
腹も顔も弛むんだよ。
主婦として失格じゃないか。
そんなお前の態度が目に余るから、
今後俺がお前の家事を採点してやる。
会社の先輩が
奥さんの採点をしまくったら、
家事スキルが格段にアップしたって
言っていたんだ。
俺もそれを見習うことにした!
キヌ子も頑張れよ!」
…とウッキウキでベラベラ喋る。
本当にその奥さん、
イチイチ採点されて
もっと夫に
尽くすようになったのかしら?
裏があるんじゃないの…?
困惑する私をよそに、
夫はなおも続ける。
コウキ
「俺の採点は甘くないぞ!
そうだな…
【0点を取ったら離婚】
このルールにでもしようか!
うん、良いアイディアだ。
そうしよう!」
私の了承もナシに
勝手にルールを決めて
勝手に納得して、
ルンルン気分で
お風呂場に行ってしまった。
誰だよ、その会社の先輩って奴は!?
よくも変な入れ知恵を
夫にしくさりやがって。
そんなバカなアイディアに
感化される夫も夫だ。
私は夫に対する失望を禁じえなかった。
お腹とほっぺの弛みは、
少し気にしていただけに
余計に腹が立った。
夫の方はしばらく採点を
続けるつもりらしく、
翌日には未記入の離婚届まで
チラつかせてきた。
そういう脅し方をするのか…。