私はキヌ子。
3つ年上の夫、コウキと結婚して
1年半がたった頃はまだ子供はおらず、
双方ともに勤務先は違えど
会社員として仕事をしていた。
夫は時期によっては
残業が発生する一方、
私の方は基本的に残業はなかった。
だから、家事分担は
基本的に私に偏っていた。
家計の負担は同じくらいだったけれど、
愛する旦那様が気持ちよく
過ごせるのであればと、
当時の私は何の不満も持っていなかった。
双方の両親との関係も円満で、
そうやって順調な結婚生活を送って、
そのうち子供ができて、
ずっと幸せに暮らす…そのはずだった。
あの日が来るまでは。
その日、夫は帰宅するなり
コウキ
「キヌ子さあ、
あの昼飯なんだよ?30点!」
ただいま、もなく
開口一番にこう言ってのけた。
今までこんなことがなかったから、
私は頭の上に
?マークを浮かべながら
固まってしまった。
そんな私がよっぽど
物わかりが悪いように見えたのだろう。
夫は
コウキ
「だから~、弁当だよ、弁当。
卵焼き以外は
冷凍食品ばっかりだったぞ。
こんなのは手作り弁当じゃなくて
手抜き弁当だ。
明日はもっとがんばって
80点ぐらい取れるようにしてくれよ」
と、さも呆れたように言い放った。
弁当を作ってもらうのに、
どうしたらこんな上から目線で
人に物を言うのだろうか。