私
「証拠はたんまりと
あるんだから!
ショウマだって、アンタが
腕を組んで浮気相手の女性と
ショッピングモールで
デートしてたのを見てる。
観念して成仏せいや!」
そこでショウマが
仏具のおりんを鳴らす。チーン!
夫以外の全員が
写真に向かって合掌した。
しばしの沈黙。
挙動不審になる夫。
そこへ新たな来客が。
義両親が迎え入れた客は、
真っ先に夫に駆け寄り、
女性
「怨敵退散!悪霊退散!」
と叫びながら、食塩を袋ごと
取り出して封を切り、
ザバーッと夫にぶっ掛けた。
塩まみれの夫。
夫「っ…ぁ??
ど、どうして、
お前が俺の実家に…!」
女性
「この人でなし!
妻子持ちだって言うなら、
こっちだって付き合ってねーわ!
1番大事にすべき妻子を蔑ろにして、
なーにが
『君を大切にするよ』だよ!!
バッキャロー!」
咆哮を上げている彼女こそ、
夫の浮気相手だ。
私は探偵事務所からの報告を
受け取ると、
すぐに彼女に会いに行った。
彼女には最初こそ
不審がられたけれど、
事情を話すとショックで
泣き出してしまったのだ。