浮気

夫のある行動が息子を傷つけた…【3】

 

それが崩れてしまっては、

夫とショウマに取り返しがつかない

ほどの深い溝が

できてしまうかもしれない。

 

私はそう思った。

 

「ねえ、もしかしたら

今の状態でショウマに

しつこく接しようとするのは

良くないのかも。

 

厳しいあなたの印象が強くて、

遊びに誘っても委縮してしまってる

のかもしれないわ。

 

あなたは1度、ショウマと

距離を置いた方がいいわ」

 

「なるほど、トウ子の言うことに

一理あるかも。

 

正直、今の部署は忙し過ぎてね。

家ではゆっくり休みたいと

思ってしまうんだ。

 

ショウマのことを気に

掛けていないわけではないけど、

ずっと思い悩むのもストレスだって

感じ始めていたんだ」

 

「そうだったの。私はもう少し、

ショウマを甘えさせる方向に

持っていくわ。

 

どうせ高学年か中学生くらいに

なったら、母親となんてまともに

口もきいてくれなく

なっちゃうでしょう?

今のうちに母子ベッタリを

楽しんでおくことにするね」

 

「トウ子に負担を

かけることになるけど、

そうしてくれると助かるよ。

ありがとう」

 

こうして夫はショウマと少し距離を

開けることになった。

ショウマは休みの日に

夫と顔を合わせても、

 

「おはよう」

 

ショウマ

「…はよ」

 

と、最低限の挨拶をするだけで、

素っ気ない態度は変わらなかった。

 

夫は苦笑しているだけだったが、

遊びや外出に誘っても

断られるというパターンが

なくなったので、

気が楽になったようだ。