家族

急いで実家へ帰省すると…【19】

 

コウスケ

「それでいいんだ。

感情を抑え込まなくていい。

泣きたい時に泣いて、

笑いたい時に笑う。

そんなトウ子が俺は大好きだよ」

 

「ママ、強いかったね。

かっこよかった!」

 

「そう?ありがとう(笑)

私も2人が大好きだよ」

 

アイスを食べ終わり、

心が落ち着いてきた頃、

決意を口にした。

 

「もう、あの人たちとは

完全に縁を切るわ」

 

コウスケ

「そうか…辛くないか?」

 

「…正直、辛くないって

言ったら嘘になる…

でも、このまま関わり続けても、

不幸になるだけ。

この決断が

新しい始まりになってほしい」

 

コウスケ

「トウ子…」

 

「大丈夫。あなたと

この子がいるから、乗り越えられるわ」

 

コウスケ

「分かった。

その決断、俺は支持するよ」

 

「…」

 

コウスケ

「トウ子、大丈夫だよ。

娘には、俺たちという

最高の家族がいる。

あの子はトウ子と俺の子どもだ。

たくさんの愛情を注いで育てよう。

あの人たちのことは

もう気にしなくていいんだよ」

 

その夜、家に帰ってからも、

まだ胸の奥がモヤモヤしていた。

 

でも、コウスケと娘の寝顔を

見ていると、

少しずつ晴れていくのを感じた。

 

あれから1年が経った。

私たち家族の生活は、

穏やかな日常を取り戻していた。

 

仕事も順調で、娘の成長を

見守りながら、

充実した日々を過ごしている。

 

あの日以来、実家とは

一切連絡を取っていない。

 

最初の頃は、時々母からの着信が

あったが、それも次第に途絶えた。