しばらく無言で運転を
続けていると、
突然、視界が滲んできた。
私
「ごめん…駐車場に入るね」
近くのコンビニの駐車場に
車を停め、ハンドルに
突っ伏して声を押し殺した。
私
「なんで…
なんでこんな家族なの…」
コウスケは黙って
私の背中に手を置いてくれた。
娘
「ママ…泣かないで」
娘の小さな手が私の頬に触れる。
その温もりに、
堪えていた涙が溢れ出した。
私
「ありがとう…ママ、
大丈夫だから」
しばらくそうしていると、
少しずつ呼吸が整ってきた。
顔を上げると、心配そうに見つめる
コウスケと娘の顔があった。
私
「2人ともありがとう。
もう大丈夫」
コウスケ
「無理しなくていいんだぞ」
私
「うん。でも、本当に大丈夫。
むしろ…すっきりした」
娘
「ママ、アイス食べる?
アイス食べると元気出るよ?」
私
「そうだね…そうしようか(笑)」
3人でコンビニに入り、
アイスを買った。
私
「あのね、2人とも」
コウスケと娘が顔を上げる。
私
「今日は本当にごめんね。
こんな姿を
見せるつもりはなかったの」
コウスケ
「謝ることないさ。
むしろ、トウ子の決断に
感動したよ」
コウスケ
「ああ。あんな状況でも、
毅然とした態度を取れたじゃないか」
私
「でも、最後は泣いちゃったし…」