家族

急いで実家へ帰省すると…【18】

 

しばらく無言で運転を

続けていると、

突然、視界が滲んできた。

 

「ごめん…駐車場に入るね」

 

近くのコンビニの駐車場に

車を停め、ハンドルに

突っ伏して声を押し殺した。

 

「なんで…

なんでこんな家族なの…」

 

コウスケは黙って

私の背中に手を置いてくれた。

 

「ママ…泣かないで」

 

娘の小さな手が私の頬に触れる。

その温もりに、

堪えていた涙が溢れ出した。

 

「ありがとう…ママ、

大丈夫だから」

 

しばらくそうしていると、

少しずつ呼吸が整ってきた。

顔を上げると、心配そうに見つめる

コウスケと娘の顔があった。

 

「2人ともありがとう。

もう大丈夫」

 

コウスケ

「無理しなくていいんだぞ」

 

「うん。でも、本当に大丈夫。

むしろ…すっきりした」

 

「ママ、アイス食べる?

アイス食べると元気出るよ?」

 

「そうだね…そうしようか(笑)」

 

3人でコンビニに入り、

アイスを買った。

 

「あのね、2人とも」

 

コウスケと娘が顔を上げる。

 

「今日は本当にごめんね。

こんな姿を

見せるつもりはなかったの」

 

コウスケ

「謝ることないさ。

むしろ、トウ子の決断に

感動したよ」

 

コウスケ

「ああ。あんな状況でも、

毅然とした態度を取れたじゃないか」

 

「でも、最後は泣いちゃったし…」