ヒロヤ
「おい、アキノ!
まじでやめろって!!
姉ちゃんに失礼だぞ!」
アキノ
「ねぇ!!
なんで私ばっかり…
私だって家族の一員でしょ?」
私
「そうね。
確かにあなたも家族よ。
だからこそ、お互いを
尊重し合うべきじゃないかしら?」
父
「まあまあ、みんな落ち着こう。
トウ子、確かに
俺たちにも非はある。
でも、家族なんだから
助け合うのは当然だろ?」
私
「助け合う?どういうこと?」
母
「その…実はね、
少し借金があって…」
私
「また借金?
やっぱりこんなことじゃ
ないかと思ってた。
冗談じゃない…」
ヒロヤ
「姉ちゃん、聞いてくれよ。
俺たち、本当に困ってるんだ」
手が震えるのを押さえながら、
声を絞り出す。
私
「困ってる?
あなたたちが困ってるって?
私は10年前、
あなたたちの尻拭いで、
どれだけ苦労したと
思ってるの!?」
父
「わかってる、
そんな事わかってるよ!
でも今回は本当に…」
私
「もう聞きたくない!」
突然、娘が泣き出した。
娘
「ママ…怖い…」
私
「ごめんね。もう帰ろう」
立ち上がろうとする私の腕を、
母が慌てて掴む。
母
「待って!
トウ子、お願い。話を聞いて…」
私
「聞く必要なんてないわ。
10年経っても、
あなたたち…何も、
何一つ変わってない」