違和感が背筋を走る。
それでも、箸を取る。
ヒロヤ
「姉ちゃん、仕事順調?」
私
「えっ?
あ、まあ…それなりにね…」
父
「それなりにって、
謙遜しなくていいんだぞww
ウチの娘は
会社経営者なんだからな!
ハッハッハ!」
母
「そうよ。みんなに
自慢してるわよww」
自慢?私のこと、
ろくに知りもしないのに—
アキノ
「へぇ〜、お姉さん
凄いんだ。
じゃあ、お金持ちなんでしょ?」
ヒロヤ
「おい、アキノ!」
言葉を飲み込む。
家族の態度に、
ますます違和感が募る。
そして、彼らが私に
近づこうとする本当の理由が、
少しずつ見えてきた。
やっぱり…お金なの?
その時、娘が
不安そうな目で見上げてきた。
娘
「ママ…」
私
「大丈夫よ。もうすぐ帰るからね」
コウスケが私の手を握り、
小さく頷いた。
ごめんね。こんな家族に会
わせちゃって—。
胸に刺さるような痛みを
感じながら、この異様な
食事会は続いていった。
異様な雰囲気の中、食事が進む
両親とヒロヤは、やたらと
私の仕事の話を
聞き出そうとしてくる。
父
「で、トウ子。今の会社の
年商はどれくらいなんだ?」
私
「え?あ、まあ…そこそこかな」
母
「そこそこってww
具体的に教えなさいよ~?
水くさいわねww」