家族

急いで実家へ帰省すると…【7】

 

コウスケ

「確かに、ちょっと

びっくりしたよ。

初対面であんな態度は…」

 

「本当に…。しかも、

私たちが着いたばかりなのに」

 

「ママ、おばさん怖かった…」

 

「大丈夫よ。ママがついてるから」

 

コンビニでコーヒーを買い、

車で実家に戻る。

玄関前で深いため息をつき、

もう一度家に入る心構えをする。

 

コウスケ

「大丈夫。

俺たちがついてるから」

 

「…ありがとう。行きましょう」

 

リビングに入ると、

両親と弟が勢揃いしていた。

 

「おぉ!トウ子!

久しぶりだなぁ!」

 

ヒロヤ

「姉ちゃん、

相変わらずキレイだな」

 

大げさすぎる歓迎に、

筋が寒くなる。テーブルには、

豪華な料理が並んでいた。

 

何かおかしい…。

そう感じながらも、

家族との再会を果たした。

10年ぶりの帰省は、

想像もしなかった

展開を迎えようとしていた。

 

コーヒーを手に、

再びリビングに足を踏み入れる。

両親と弟が笑顔で

私たちを見つめている。

 

「あら、遅かったわね」

 

「え?あ、ごめんなさい。

アキノさんにコーヒーを

買ってきてって…」

 

その一言で、家族全員の

表情が一変した。

 

「アキノ!お前…!何てことを…」

 

ヒロヤ

「おい、アキノ!

姉ちゃんに何させてんだよ!」