家族

急いで実家へ帰省すると…【6】

 

アキノ

「あぁ!お姉さんね!

待ってたのよ〜」

 

ガチャっとドアが開き、

見知らぬ女性が現れた。

 

アキノ

「はじめまして〜。

アキノです。ヒロヤの嫁で~す♪」

 

「あ、はじめまして…」

 

アキノ

「遅いじゃない~

みんな待ちくたびれ

ちゃったよ~何してたの?」

 

突然の出来事に言葉が出ない。

この態度は…。

 

アキノ

「ねぇねぇ、お土産は~?」

 

「え?あ、はい…これです」

 

慌てて用意していた

菓子折りを差し出す。

 

アキノ

「え~、これだけ?

ケチくさぁ~。

まぁいいけど。あ、そうだ!

お姉さんさぁ、ちょっと

近くのコンビニまで

コーヒー買ってきてくれない~?

みんなの分で5つくらいかなぁ」

 

「え?

でも、今着いたばかりで…」

 

アキノ

「いいからいいから。

お客さまなんだから、

もっと気を遣ってよ〜」

 

呆然とする私を尻目に、

アキノは家の中へ消えていった。

 

コウスケ

「…大丈夫?」

 

「うん…ごめんね。

ちょっと付き合ってくれる?」

 

アキノに言われるまま、

私たち家族3人でコンビニへ向かう。

 

車の中で、握りしめた

拳が震えていた。

 

「信じられない。

あの態度、なんなの!?」