家族

急いで実家へ帰省すると…【3】

 

「えっ…妊娠!?」

 

朝の気分の悪さで病院に行くと、

妊娠が分かった。

私の驚きに、

医師は優しく微笑んだ。

 

医師

「おめでとうございます。

もう6週目ですよ」

 

その夜、コウスケに伝えた。

 

「あのさ…私、妊娠したみたい」

 

コウスケ

「えっ!マジで!?

やったー!」

 

飛び上がって喜ぶコウスケを見て、

私も少し嬉しくなった。

でも同時に、胸が締め付けられた。

 

仕事はどうしよう?

育児なんてできるのかな?

 

そして…家族って何だろう?

 

そんな思いを抱えながら、

新しい生活が始まろうとしていた。

 

妊娠が分かってからの日々は、

あっという間だった。

 

仕事は在宅に切り替え、

産休までできる限り働いた。

そして、予定日より少し早く、

娘が生まれた。

 

小さな命を腕に抱いた瞬間、

言葉を失った。

こんなにも愛しい存在が、

私の中にいたなんて。

 

「こんにちは、

よく来てくれたね」

 

頬を伝う涙が止まらない。

 

隣でコウスケも、

照れくさそうに目を拭っていた。

育児は大変だったけど、

娘は手のかからない子だった。

夜泣きもほとんどなく、

すくすくと育っていった。

 

仕事と育児の両立は

想像以上に難しかった。

でも、なんとかやりくりした。

コウスケの支えが大きかった。