その日、帰宅した夫は
全てを話した。
浮気相手に対しては
離婚して妻が家を出ていったと
伝えていたとのこと。
家にある妻のものは
そのままにしいてるので、
好きに使っていいと
伝えてしまっていたそうだ。
バカだな、と思った。
浮気相手だって、自分しか
使っていないはずの化粧品が
減っていたり、
女性物のアクセサリーが
動いていたら
何かおかしいと思うだろうに。
ヨシヒロ
「俺が全て悪かった。
本当にバカだったと思ってる」
と例のまっすぐな目
で私を見つめてきた。
2度と騙されるもんか。
私
「そうだね。その通りだね」
と率直に伝えると、
泣きべそかいてやがった。
容赦なく緑の紙(離婚届)を
召還すると、
フゴフゴ言葉にならない声を
漏らしながら署名捺印してた。
財産分与として
家を明け渡すとも
言っていたんだけど、
不倫現場で今後も暮らすだなんて
何の罰ゲームだと、
私は突っぱねた。
私は家を
出ることにしていたから、
引越し代と新居の敷金礼金・
家具家電に半年分の光熱費で
手を打った。
そう。これはあくまで
「財産分与」。
つまり、
慰謝料は別だということ。