外向けの顔の時に
いつも夫を呼ぶ呼び方が
出てしまった。
いけない、いけない。
公私の区別はキッチリしないと。
…ワザとだけども。
笑っちゃいそうになったのは、
夫がプチパニックになったのか
「あなた!?」
の呼びかけに
ヨシヒロ
「は!?
お、お前!?なんで…」
とうっかり口に出てたこと。
さすがにそれ以上は、
患者さんの手前、続けることは
できなかったみたいだけど
診察中の夫は
動揺しまくりだった。
患者さんにしても、
開幕の私達のやり取りが
不審に映ったようだった。
不倫相手
「えっと…先生は、
私の彼と
知り合いでしょうか?」
患者さんの背後で青ざめ、
首をブンブン振る夫。
扇風機か!
私
「公私混同はできませんから。
プライベートなことは
仕事に持ち込まない主
義なんですよ」
とお茶を濁しておいた。
余計に不信感が募ることだろう。
もちろん、これもワザとだ。
患者さんの背後で
百面相をする夫が
面白くてしかたがない。
私は公私混同をしないように…
と一層心がけた。
不倫相手
「今日は、
付き添ってもらって、
一緒に話を聞いて
もらうことにしたんです!」
と気を取り直した患者さんは
上機嫌。