女は夫の腰あたりに腕を回し、
夫はそんな女の肩を抱いていた。
もう、真っ黒中の真っ黒！
である。
さらにイチャつき始めた2人に、
私は耐えきれなくなり、
それ以上の監視は断念した。
もちろん、カメラでの
録画は継続していたが。
しかし、なんでよりによって
私の寝室なんだろう。
あの二人がイチャついた後の
洗濯すらしていないシーツの上で
私は眠っていたのか…。
気持ち悪い…
虚無感に襲われたのは
一瞬のことだった。
私は前向きでもあるのだ。
サッサと離婚をしよう。
嘘を平気でつける、
下半身ユルユルの夫など
もうイラナイ。
医者という仕事がある私には、
経済的な問題もない。
もちろん、慰謝料は
ふんだくるつもりだ。
とはいえ、たった1回の
不貞行為の証拠では、
離婚をするには弱い。
できなくもないけれども
一時の気の迷いとされたり、
貰えるものも
もらえなくなってしまう。
この後も複数回、
証拠を押さえることが必要だ。
気持ち悪いが仕方がない。
気合を入れねば。私はその後
独りでカラオケに向かい、
明け方まで好きな歌を
熱唱しまくってから帰宅した。
