私「わかりました。
進めてください」
弁護士
「承知いたしました。
マサナリさんにはこちらから連絡を
取りますので、ご安心ください。」
家に帰ると、両親が
心配そうに待っていた。
父
「どうだった?」
私
「うん。先生と色々話をして
進めることにしたよ。」
母
「そう…辛くない?」
私
「大丈夫。これが私とユイに
とって一番いいことだと思うから」
両親は安心したようにうなずいた。
離婚調停が始まって1ヶ月が経った。
当初から、弁護士の助言に従い、
マサナリへの慰謝料請求と同時に、
不貞行為の相手であるカナミにも
慰謝料を請求することにしていた。
マサナリは最初、慰謝料の金額に
難色を示していたが、
弁護士の粘り強い交渉のおかげで、
少しずつ折り合いがついてきた。
カナミの方も、当初は抵抗を
示していたものの、
証拠を 突きつけられ、
交渉が進んでいた。
そんなある日、
弁護士から連絡が入った。
弁護士
「トウ子さん、マサナリさん
とカナミさんからの慰謝料支払いが
確定しました。
これにより、裁判所が定めた金額の
支払いを請求する権利が確定し、
相手方が任意に支払わない場合は、
強制執行の手続きを
行うことができます。」
弁護士
「ただし、強制執行による
回収を100%保証できるわけでは
ありませんが…」
複雑な思いが胸をよぎる。
カナミも被害者の
一人だったかもしれない。
でも、既婚者と知りながら関係を
続けた責任は逃れられない。
翌日、両親に報告した。
私
「慰謝料の件、決着がついたよ」
父は静かにうなずき、
安堵の表情を浮かべた。
母
「これで少しは安心して
暮らせるわね」
私
「うん。でも、まだまだ
頑張らないとだよね!」