カナミ
「は?説明?なんの??
どういうこと?
私と結婚するって
約束したじゃん!!」
マサナリ
「落ち着けって!
俺…色々考えたんだ。
でも、やっぱりトウ子と
これから生まれてくる子と
家族でいたいんだよ。」
カナミ
「うそ…そんな…
だって、さっきまで私と結婚って…
私を騙したの!!!!!?」
カナミの泣き声が聞こえてくる。
私は言葉を失っていた。
マサナリ
「カナミ、ごめん。
俺が悪かった。でも…」
カナミ
「でも!じゃない!
私、あなたを信じてたのに!
だから1年も秘密の関係にだって
文句言わなかった!!」
カナミの悲痛な叫びを聞いて、
私は複雑な感情を抱いた。
けど…既婚者と知りながら関係を
続けたカナミにも責任がある。
マサナリ
「トウ子?
俺はお前を選んだんだ。
カナミとは終わりにする」
カナミ
「ねぇ?なんで?
どうして…
どうして私じゃダメなの?
ねぇ!?」
マサナリ
「カナミ、お前には本当に
申し訳ないと思ってる。
でも、俺はお前より
トウ子との未来を取る」
カナミの泣き声が
さらに大きくなる。
電話越しでも、その悲しみが
伝わってくる。
私
「マサナリ、あなたって
本当に…最低だね」
マサナリ
「はっ?」
私
「カナミさんの気持ちも、
私の気持ちも、何もわかってない」
マサナリ
「トウ子、俺は
お前を選んだんだぞ!?
何が不満なんだよ!?
もう一度やり直せるんだ!」
私
「やり直す?
簡単に言わないで。
自分がしたことが
どれだけ酷いことか
わかってないの?
あなたは二人の女性を
傷つけたんだよ」