
マサナリ
「トウ子、お願いだ。
もう一度チャンスをくれ!!」
私
「チャンスって?
あなたは今まで十分チャンスが
あったんじゃないの?
でも、あなたは
裏切り続ける事を選んだ…違う?」
マサナリ
「俺が間違ってた。
本当にごめん。
でも、俺たちのために…」
私
「もう遅いよ。あなたが家族を
大切に思っていたら、
こんなことにはならなかったよね」
荷物をまとめ終わると、
玄関へ向かう。
マサナリは必死な様子で、
すがるように…
マサナリ
「お前がいなくなったら
俺はどうすればいいんだ?」
その言葉に、私は立ち止まった。
振り返り、マサナリの目を
まっすぐ見つめる。
私
「それはあなたが
決めることだよ。
私には関係ない。
さようなら。」
そう言って、家を出た。
呼ぶ声が背中に聞こえたが、
振り返らなかった。
重い足取りで歩きながら、
スマートフォンを取り出す。
私
「もしもし、お母さん?
私、今から帰るね。
ちょっと色々あって…」
母の声を聴いた瞬間、
堰を切ったように
涙があふれ出した。
必死に抑えていた感情が、
一気に溢れ出す。
母の心配そうな声に、
さらに涙が止まらなくなる。
実家に着くと、
両親が心配そうな顔で
出迎えてくれた。
状況を簡単に説明すると、
母が私を優しく抱きしめてくれた。