私は窓の外を見つめながら、
これからの
人生について考えていた。
一つだけ確かなことがある。
もう二度と、
マサナリを信じることはない。
マサナリは何度か
口を開きかけたが、
私の冷たい視線に遮られ、
結局何も言えずにいた。
マサナリ
「トウ子、着いたよ」
私
「…」
無言で車を降りようとする私を、
マサナリが慌てて止めた。
マサナリ
「待ってよ、トウ子。
話をさせてくれ」
私
「何を話すっていうの?
もう十分だよ」
マサナリ
「俺が悪かった。
本当にごめん。
でも、俺たちの関係を…」
私
「関係?どんな関係よ?
あなたは私を裏切った。
しかも、私が妊娠しているのに」
マサナリ「わかってるよ。
でも、俺たちには
子どもがいるんだぞ?
もう一度やり直せないか?」
その言葉に、
怒りが再び沸き起こる。
私
「やり直す?冗談じゃないわ。
あなたは1年以上も
私を欺いてたんだよ。
しかも、カナミさんと
結婚する約束までして…!」
マサナリ
「それは…その…」
私
「もういいよ。
私にはもうあなたを信じる気持ちは
これっぽっちもないから」
マサナリ
「…でも!!
子どものことを考えてくれ」
私
「子どものこと?
あなたこそ、子どものことを
考えたことがあるの?
不倫している間、
一度でも考えた?」
マサナリは言葉につまり、
うつむいてしまった。
私
「私ね、あなたのこと信じてた。
仕事が忙しいって言うから、
頑張ってるんだって応援してた。
でも、その間あなたは…」
言葉が詰まる。涙が頬を伝う。