カナミ「そうよ、
降りればいいじゃない？
私たちの邪魔をしないで」
私「…」
一瞬、躊躇する。
確かに、このまま一人で帰るのは
危険かもしれない。
でも、この二人と
一緒にいるのも辛い。
赤ちゃんのことを考えると…
私
「わかった。
カナミさん、あなたが降りて」
カナミは不満そうな表情を浮かべ
カナミ
「はぁ？なんで私が？
あんたが邪魔してるのに！！」
マサナリ
「カナミ、頼む…
今は大人しく降りてくれ」
カナミ
「マサナリ！！
マジで言ってるの！？
信じられない！
私を選んだんじゃないの？」
カナミは歯軋りしながら、
怒りに満ちた目でマサナリを見る。
カナミ
「…今日はわかった。
これで終わったわけじゃないよ。
後でちゃんと話せるよね？」
彼女は車から降り、
ドアを乱暴に閉める。
私「マサナリ、私を家まで送って。
それが終わったら、
もう二度と会わないから」
マサナリ「トウ子、
俺たちの関係を…」
私「黙って運転して。
話したくない」
カナミは車の外から窓を叩く。
カナミ「マサナリ！嘘でしょ！？
本当に私を置いていくの？」
マサナリは苦しそうな表情で
彼女を見るが、何も言わず
にエンジンをかける。
車は再び動き出した。
カナミの怒鳴り声が遠ざかっていく。
