突然の声に、マサナリとカナミは
ふり返り驚愕の表情を浮かべた。
車が大きく蛇行する。
マサナリ
「は!?ト、トウ子!?
なんでお前がここに!?」
カナミ
「きゃあ!なに?なんで?」
マサナリは慌てて車を路肩に寄せ、
停車した。
車内は一瞬にして修羅場と化す。
私
「なんでって…あんたたち…!」
怒りと悲しみで言葉が
途切れ途切れになる。
マサナリは真っ青な顔で
後ろを振り向き、カナミは
呆然としたまま座っている。
私
「あんたたち…
私の目の前で…
堂々と…!」
涙があふれ出る。
怒りに震える声で続ける。
私
「買い物して…デートして…
私のことなんて…!」
マサナリ
「ちょっ、トウ子、
落ち着いて…
ちゃんと説明するから…」
私
「説明!?
何を説明するつもりなの!?
あなたが1年以上も
不倫していたこと?
それとも、私が妊娠しているのに、
この人と
結婚する約束をしたこと?」
カナミ
「はぁ?説明なんて
必要ないでしょ。事実は事実だよ」
私
「あなたは口出さないで!
マサナリが既婚者と知ってて
付き合っていたんでしょう?」
カナミは挑戦的な目で
私を見つめ返した。
カナミ
「そうだけど?それが何?
マサナリは私のことを
選んだんだよ。
あなたじゃなくて、私を!!」
その傲慢な態度を見て、
さらに怒りが込み上げてくる。
私
「信じられない。二人とも、
どうしてこんなことができるの?」
マサナリ
「トウ子、聞いてくれ。
俺も悪かった。
でも、俺はお前のことも本当に…」
私
「本当に好きだって言うつもり?
私たちの結婚は何だったの?
お腹の子は何なの?」