マサナリは
ラジオの音量を小さくし、
ハンドルを握りしめている。
カナミは窓の外を眺めている。
私は後部座席で身を縮め、
息を潜めていた。
しばらくして、
カナミが口を開いた。
カナミ
「ねえ、マサナリ。
今日は楽しかったね。
でも…いつまで
こんな関係が続くの?」
その言葉に、
私の耳が釘付けになる。
カナミ
「私、もうこれ以上
待てない。
あなたの決断を聞かせて」
マサナリ
「わかってるって。
俺もそろそろ
決めなきゃいけないって思ってた」
私の頭の中で、
様々な可能性が駆け巡る。
最悪の結末を想像して、
胸が締め付けられる。
カナミ
「じゃあ、どうするの?
私たち、これからどうなるの?」
マサナリ
「俺は…カナミ
お前と一緒になりたい」
その言葉を聞いた瞬間、
目の前が真っ暗になり、
息ができなくなるような
感覚に襲われる。
カナミ
「…っ本当?うれしぃー
本当に私と結婚してくれるの?」
マサナリ
「ああ。
でも、今すぐとは約束できない。
時間がかかるかもしれない。
やっぱりほらッ…
トウ子のこともあるし…さ」
怒りと悲しみが押し寄せてくる。
こんな会話を聞かされるなんて、
想像もしていなかった。