マサナリと女性は、
レストラン街の奥にある
イタリアンレストランに
入っていった。
私も後に続こうとしたが、
店員に止められてしまう。
店員
「申し訳ございません。
本日は満席となっております」
私
「あ…っすみません」
仕方なく、私はレストランの外で
待つことにした。
窓越しに2人の様子を伺う。
楽しそうに会話をしている。
マサナリの笑顔は、
最近家では見なくなった表情だ。
時間が過ぎていく。
私の中で怒りと悲しみ、
そして不安が渦巻いていた。
なぜ、こんなことに
なってしまったのか。
私たちの結婚生活は
幸せだったはずなのに…
そうこうしているうちに、
2人がレストランを出てきた。
私は慌てて身を隠す。
このまま2人の後をつけよう。
真実を、この目で確かめなければ。
レストランを出た2人は、
手を繋いでショッピングモールを
歩き始めた。
私は少し離れた位置から、
必死に2人の姿を目で追う。
周りの人々の視線など
気にしている場合ではない。
今の私には、マサナリとその女性の
行動を把握することしか頭にない。
なんで…?
なんでこんなことに…
心の中で何度も問いかける。
でも、答えは出ない。
ただ、目の前で繰り広げられる
光景に、胸が締め付けられるような
痛みを感じる。
マサナリと女性は、
ときおり立ち止まっては、
お互いの顔を見合わせて笑い合う。
その姿を見るたびに、
私の中の怒りが増していく。
あんなに優しかったマサナリが、
こんな裏切り行為をするなんて。
しかも、二人の子を宿している
今この時に…