私の名前はトウ子。
26歳で、現在妊娠6ヶ月だ。
夫のマサナリとは3年前に結婚した。
彼は29歳で、
大手企業に勤める会社員だ。
結婚当初は幸せだったが、
最近は少し様子がおかしい。
仕事が忙しいからと言って、
帰りが遅くなることが増えた。
私の両親は私たち夫婦のことを
気にかけてくれているが、
まさかこんな状況になるとは
誰も予想していなかった。
今日は久しぶりの休日。
マサナリは仕事だと言って
出かけてしまったけど、
私は赤ちゃんの
買い物をしようと思い、近くの
大型ショッピングモールへ
向かった。
我が子のために可愛いベビー服を
見るのが最近の楽しみだ。
モールに着くと、
まずはマタニティコーナーへ。
大きくなったお腹に合わせて、
新しい服も必要になってきた。
試着室で服を着替えながら、
鏡に映る自分の姿を見つめる。
確かに体型は変わったけれど、
この変化は幸せの証だ。
「あら、トウ子ちゃん。
お買い物?」
振り向くと、近所に住む
オバサマが声をかけてきた。
トウ子
「はい、そうなんです。
赤ちゃんの準備で。」
オバサマ
「そう、楽しい時ね。
旦那さんは一緒じゃないの?」
トウ子
「ええ、今日は仕事で…」
オバサマ
「まあまあ!忙しいのね。
でも、奥さんが妊娠中なんだから、
もう少し気を
使ってあげないとよね?」
その言葉に、少し胸が痛んだ。
確かに、最近のマサナリは
忙しそうだ。
不安な気持ちを払拭しようと、
私は笑顔を作った。
トウ子
「大丈夫です。
仕事が落ち着いたら、
一緒に買い物に来る
約束をしていますから」
オバサマと別れ、
ベビー用品売り場へ向かう。
小さなロンパースや靴下を見ていると、
不安な気持ちも和らいでいく。
これから生まれてくる我が子のことを
考えると、自然と顔がほころぶ。