翌朝、私は父を同伴で
ユウジの自宅へ乗り込んだ。
インターフォン越しに
聞く彼の声は、
とても不機嫌そうだったが、
父に代わって貰い
離婚届に署名と捺印が
欲しいと申し出ると、
大慌てで家から
飛び出してきた。
ユウジ
「いやあ、
まさかキヌ子さんの
お父様がいらっしゃるとは」
恐縮しながら、
愛想よく頭をさげる彼に、
私は父の横から
私
「もう一つ、
まさかがあるよ。
警察の皆さんも
いらっしゃるの。
もうすぐね」
彼にとって大ダメージに
なる一言を浴びせてやった。
ユウジは固まった。
私はにっこり。
私
「理由は、分かるよね?
昨日の夜。
『妹さん』が
目を覚ましたよ」
ユウジ
「なっ!?」