私物をそれに詰めて
出て行けというのだ。
愕然とした私に、
荒っぽくゴミ袋を
投げつけると、彼は怒り顔で
ユウジ
「今夜中に
出ていけよ」
ドアを閉め、いなくなった。
本当に、どうしたらいいか。
途方に暮れていた。
だが…この事が、
私にとっては転機となった。
2時間くらい経っただろうか。
私がまだいるのか、
ユウジは気に
なっていたらしい。
二階に戻ってきて
ユウジ
「まだいるのか?
早く出ていけ」
ドア越しに聞いてきた。
私は顔を出し
私
「今出ていきます。
お世話になりました」
他人行儀に挨拶をした。
反抗した私が相当気に
入らなかったのだろう、
彼は返事もせずに
睨んできた。
私はごみ袋に詰めた
わずかな服と私物を
ぶら下げて、
彼の豪邸を後にした。
もちろん、
このまま終わりにはしない。
恥も外聞も捨てて、
私は久しぶりに父を頼った。