モラハラ

離婚届を持った夫がゴミ袋に入れ私の荷物を入れ… 【13話】

 

私物をそれに詰めて

出て行けというのだ。

愕然とした私に、

荒っぽくゴミ袋を

投げつけると、彼は怒り顔で

 

ユウジ

「今夜中に

出ていけよ」

 

ドアを閉め、いなくなった。

本当に、どうしたらいいか。

途方に暮れていた。

だが…この事が、

私にとっては転機となった。

2時間くらい経っただろうか。

私がまだいるのか、

ユウジは気に

なっていたらしい。

二階に戻ってきて

 

ユウジ

「まだいるのか?

早く出ていけ」

 

ドア越しに聞いてきた。

私は顔を出し

 

「今出ていきます。

お世話になりました」

 

他人行儀に挨拶をした。

反抗した私が相当気に

入らなかったのだろう、

彼は返事もせずに

睨んできた。

私はごみ袋に詰めた

わずかな服と私物を

ぶら下げて、

彼の豪邸を後にした。

もちろん、

このまま終わりにはしない。

恥も外聞も捨てて、

私は久しぶりに父を頼った。