普段は「オレを頼れ」と
豪語する彼が、
気弱なところを
見せているのに、
心が動いた事もあり、
私は承諾した。
私たちは
すぐ婚姻届を書いた。
ユウジは、
私を在宅ワーカー
という形にして、
一日中自宅にいるように
言ってきた。
時々は妹さんの寝室を
見舞うように、
とも言われたが、
それがだんだん時々
ではなくなってきて、
しまいには、ほぼ一日、
彼女の部屋にいるよう
求められた。
ユウジ
「介抱までは
しなくていいんだ、
とにかく妹を見ていてくれ。
少しでも意識が戻る気配が
あったら、すぐ知らせろよ」
最初は、よっぽど妹さんが
心配なのだろうと
思っていた。
でも、時間が経つと、
何だか違うような気が
して来た。
意識が戻る事に、
彼はやたらこだわるのだ。
どういう事なのか、
よく分からない。
妹さんの寝室に
閉じこもりっぱなしと
いうわけでもなかった。
ユウジは、私には
意味不明なメモ書きを
よこし…
妹さんの寝室に
ある電話が鳴ったら出て、
その内容を伝えるように
依頼してきた。
これも、まったく意味不明で
((仕事、なんだよね?))