私
「意識も戻るの?」
ユウジ
「どうだろうな。
目は開く…それだけだよ。
でも、いつかは
意識を取り戻すと
信じてるんだ。
主治医と相談して、
生まれ育った家で
療養させようと決めた。
病室に独りぼっちじゃ
寂しいだろうと思ってね。
そこで、だ」
彼は、私を真顔で見つめた。
ユウジ
「オレの代わりに、
妹を見守ってやってくれ」
私
「え!?
私…看護師じゃないよ?」
ユウジ
「医療的な事は
訪問診療でカバーする。
君は、ときどき様子を
見てくれればいいんだ。
難しい事は何も要求しない。
妹の身の回りは、
ちゃんと世話する者がいる、
君に負担はかけない。
君にしか頼れないんだ」
熱心に言われ、
しばらく迷っていた私は、
やがて彼の力になりたいと
考えるようになった。
私が離婚で困っているとき、
力になって貰った。
そのお返しがしたい…