私
「あの、これは……?」
恐る恐る尋ねると、
ユウジは少し表情を
曇らせて、窓際を見た。
ユウジ
「ちょっと
事情があってね。
実は…妹の部屋なんだ」
私「妹さん!?」
初耳…
驚きつつ、ユウジの視線を
追いかけてみると、
窓際に置かれたベッドで、
いかにも意識を失った
入院患者のように
寝かされている、
若い女性がいた。
酸素マスクを装着され、
点滴も繋がれている。
ベッドサイドでは、
何かの医療器具らしい
機械が、ぴっぴっと
音を立てていた。
いったい、
どうしてこんな事に!?
私
「妹さん、病院に
入院させなくてもいいの?」
ユウジ
「自宅療養中なんだ」
ユウジは表情を
曇らせたまま言った。
私はもう…
どうしたらいいのか。
どういう事情があれば、
こんな、明らかに
意識不明と思われる患者を
自宅療養させると
いうのだろう。