私はトウ子。
今年29歳で、飲食店に勤務。
3年前にジムトレーナーの
タカオと結婚した。
子どもはいない。
二人とも、休みが不規則のため、
一緒に出掛けたりする機会が
少ないけど、それはそれで
お互いの自由な時間が持てる
メリットは大きい気がする。
1人の時間を適度に取れないと
ストレスを抱えてしまう
性格だから、カフェや
映画によく行っている。
お互いに好きな仕事をして、
適度な距離を保っていることが
うまく付き合っていく
秘訣なのかな？考えていた。
そう、あの時までは…
仕事が早番だったから、
ベランダで好きなお酒を
飲みながら沈む夕日を眺めながら
いい気分になっていた。
そんなゆったりとした時間が
流れていたのにスマホに着信…
それは、私の姉の
ヤヨイからの電話。
ヤヨイは3つ年上で、
私の家のある駅から
少し離れてるけど
同じ沿線に住んでいる。
キャリア志向で、独身。
姉も結婚願望が
ないって言ってたっけ。
ヤヨイ
「トウ子…
落ち着いて聞いてね」
いつも元気な姉の声が
とてつもなく暗い
私
「なんでそんなに声暗いの！？
なんかあった？」
ヤヨイ
「んーっと。
…あのさ、今日仕事帰りにさ…」
なんだか歯切れが悪い
私
「もう！何？」
姉の歯切れの悪さにだんだんと
苛立ってきた時
ヤヨイ
「…私の乗った電車に
あんたの旦那がいたの…
まだ、勤務中だよね…？」
私
「そうなの？あれ？おかしいな。
今日は遅いって言ってたから
まだレッスン中のはずだよ？」
