サリイ
「そうよ!
私はハゲでも気にしないわ。
育毛や植毛だって
最近は技術が凄いんでしょ!」
夫
「ああ、サリイ。
君は本当に最高の女だよ」
私
「あ、金庫の中身、
まだ全部見てないでしょ?
まだあるから確認して?」
今度も素直に従うサリイ。
学習能力がないのかな?
サリイ
「これは?」
出てきた書類を
まじまじと見つめるサリイ。
夫は、
夫
「あ、俺トイレ」
と席を外す。
サリイ
「え?でも!
実家のご両親が土地持ちで
お金もあるって」
私
「ああ、その話。
それは嘘じゃないけど、
あの人、私と結婚する前に
ギャンブルで借金を
たんまりこさえてね。
その尻拭いを
義両親にさせたのよ。
手っ取り早く言うと夫が
相続する見込みの遺産額を、
義両親が生きているうちに
受け取ったってこと。
だから、義両親が
亡くなったとしても、
あの人の取り分なんてないの。
兄弟がいないって
言ってたのも嘘。
嘘じゃないけど嘘」
サリイ
「は?
それってどういう…?」
私
「『きょうだい』って
兄と弟ってLINEに
書いてたでしょ?あの人、上に
お姉さんが2人と、
下に妹さんがいるわ。
だから『兄弟』はいないけど
『姉妹』はいるのよ。
義両親が亡くなった後は、
あの人の姉妹に遺産が渡るの」
サリイ、絶句。