モラハラ

私の容姿を馬鹿にする夫【14話】

 

画面の端に辛うじて

夫とサリイの姿が映る。

夫の頭は

ありのままの姿を晒し、

清々しいことになっていた。

 

サリイ

「いやあああ!

この写真が本当だなんて!

今まで騙してたの!?」

 

写真、とは私が金庫のカツラの

下に鎮座させておいたモノだ。

 

夫がカツラを脱いで

グースカ寝ている姿を

映しただけのものだけれど。

 

サリイは写真が本物かどうか

確かめるべく、夫の頭を

引っぺがしたというわけだ。

 

怒りに震えるサリイの手から

夫はカツラを奪い返し、

内側を確認。

 

「ああっああ~。

俺の、俺の毛が!

なけなしの俺の毛があああ…」

 

どうやら勢いよく

引っぺがしてしまったため、

頭皮とカツラをつけていた

粘着テープに弱弱しいながらも

頭に残っていた

貴重な毛が抜けて

貼りついていたようだ。

 

頽れて床に突っ伏し、

子どものように泣きじゃくる

夫の姿にサリイは

ひたすら

ドン引きしている様子。

 

「いつかは

わかることだったんだから、

そんなに

嘆くことないじゃない。

あなた達の愛情ってそんなに

薄っぺらい

わけじゃないでしょ?」