夫
「でさ、
暗証番号なんだけど…」
私
「ああ、それね。
あなたが私に
プロポーズした日だよ。
せっかくだから
ここに金庫を持って来て
開けてみれば?」
私の言葉に
パッと顔を明るくした夫。
対照的に私との記念日を夫が
覚えていることを悟って
ムッとした表情のサリイ。
夫はサリイの顔色に気づかず、
いそいそと小型金庫を持って
来て、暗証番号を入力した。
ガチャリ、と音を立てて
金庫の蓋が開く。
サリイ
「ひぃいいいいいいいい
いいいいい!」
ワンテンポ遅れて、
サリイの絶叫が響き渡った。
サリイ
「何このふさふさ!
え?毛!髪!?はっ!?
え?カツラ!!??」
金庫なんかに入っているから、
貴金属や土地の権利書みたいな
価値のある物だと
思っていたんだろう。
残念でした。
夫
「キヌ子あああ!
貴様あああ!!
このクソアマがぁぁ!」
サリイ
「何よ、この嫌がらせ!
結局嫉妬してるんじゃない!
それともナオフミさんのお金が
惜しくなっちゃった?
バッカみたい!
アンタが捨てられた理由、
よ~くわかるわw」
2人して私に
罵詈雑言を浴びせる。