モラハラ

私の容姿を馬鹿にする夫【11話】

 

「でさ、

暗証番号なんだけど…」

 

「ああ、それね。

あなたが私に

プロポーズした日だよ。

せっかくだから

ここに金庫を持って来て

開けてみれば?」

 

私の言葉に

パッと顔を明るくした夫。

 

対照的に私との記念日を夫が

覚えていることを悟って

ムッとした表情のサリイ。

 

夫はサリイの顔色に気づかず、

いそいそと小型金庫を持って

来て、暗証番号を入力した。

 

ガチャリ、と音を立てて

金庫の蓋が開く。

 

サリイ

「ひぃいいいいいいいい

いいいいい!」

 

ワンテンポ遅れて、

サリイの絶叫が響き渡った。

 

サリイ

「何このふさふさ!

え?毛!髪!?はっ!?

え?カツラ!!??」

 

金庫なんかに入っているから、

貴金属や土地の権利書みたいな

価値のある物だと

思っていたんだろう。

 

残念でした。

 

「キヌ子あああ!

貴様あああ!!

このクソアマがぁぁ!」

 

サリイ

「何よ、この嫌がらせ!

結局嫉妬してるんじゃない!

それともナオフミさんのお金が

惜しくなっちゃった?

バッカみたい!

アンタが捨てられた理由、

よ~くわかるわw」

 

2人して私に

罵詈雑言を浴びせる。