私
「あ、金庫は残しておいて
あげる。サリイちゃんと一緒に
開けなよ。
離婚の話はまた後で
きっちりまとめよう。じゃね」
そう言い残して
私は実家へ移った。
夫からは週末に連絡が入った。
夫
「今サリイも
一緒なんだけど、金庫って
どうすれば開くんだ?」
私は内心、引っかかった!
と狂喜した。
私
「じゃ、せっかくだから
3人で顔合わせしようよ。
テレビ電話に切り替えて。
そうしたら
暗証番号を教えるから」
そう伝えると、夫は素直に
スマホをテレビ電話モードに
切り替えた。
私
「サリイちゃん、
この前はごめんなさいね。
ナオフミはもうサリイちゃんに
あげるから、オバサンの最後の
悪あがきだと思って
笑って許してね」
力なく微笑みながら
私がそう言うと、
サリイも
済まなさそうな表情をした。
サリイ
「あの、私こそ
奥さんがいると知っていながら
ナオフミさんと関係を
持ってしまいましたから。
それは
申し訳なく思っています」
意外と
しおらしいことを言ってきた。
夫
「順番を間違えたのは
俺たちだし、今思えばお前に
随分酷いことを言って
傷つけてきたと思う。
なんか…俺たちだけ
幸せになってゴメンな?」
妙に上から目線な夫の言い分に
怒りを覚えるものの、
我慢我慢。