モラハラ

私の容姿を馬鹿にする夫【10話】

 

「あ、金庫は残しておいて

あげる。サリイちゃんと一緒に

開けなよ。

離婚の話はまた後で

きっちりまとめよう。じゃね」

 

そう言い残して

私は実家へ移った。

 

夫からは週末に連絡が入った。

 

「今サリイも

一緒なんだけど、金庫って

どうすれば開くんだ?」

 

私は内心、引っかかった!

と狂喜した。

 

「じゃ、せっかくだから

3人で顔合わせしようよ。

テレビ電話に切り替えて。

 

そうしたら

暗証番号を教えるから」

 

そう伝えると、夫は素直に

スマホをテレビ電話モードに

切り替えた。

 

「サリイちゃん、

この前はごめんなさいね。

ナオフミはもうサリイちゃんに

あげるから、オバサンの最後の

悪あがきだと思って

笑って許してね」

 

力なく微笑みながら

私がそう言うと、

サリイも

済まなさそうな表情をした。

 

サリイ

「あの、私こそ

奥さんがいると知っていながら

ナオフミさんと関係を

持ってしまいましたから。

 

それは

申し訳なく思っています」

 

意外と

しおらしいことを言ってきた。

 

「順番を間違えたのは

俺たちだし、今思えばお前に

随分酷いことを言って

傷つけてきたと思う。

 

なんか…俺たちだけ

幸せになってゴメンな?」

 

妙に上から目線な夫の言い分に

怒りを覚えるものの、

我慢我慢。