モラハラ

私の容姿を馬鹿にする夫【7話】

 

私はサリイが働くキャバクラに

足を運んだ。

 

結構な繁盛ぶりだったが、

私が入店した途端に

視線が集まった。

 

そりゃそうだ。

 

だって、普通は妊婦が単身で

訪れる場所ではない。

 

「すみませ~ん!

サリイさんって女性は

いらっしゃいますかー?」

 

と大声で入り口から

店内に呼びかけてみた。

 

すると1人の若い女性に

周囲の視線が集まった。

 

サリイ

「あの。私…ですが」

 

私は彼女を見て納得した。

 

華奢な体つきで

少年のようにほっそりした脚。

確かに10数年前の私と

全体的な雰囲気が似ていた。

 

とはいえ、サリイは取り立てて

言うほど美人ではなかった。

 

確かにブスではないけど、

十人並みの女性がメイクを

頑張って雰囲気美人を

目指したけど目指しきれません

でしたって感じ。

 

まあ、飛びぬけて

美人だったらこんな片田舎の

キャバじゃなくて

銀座か六本木あたりで

頭角を現しているはずだから、

当然と言えば当然か。

 

サリイを確認した私は、

先制パンチを

食らわせることに成功した。