私はサリイが働くキャバクラに
足を運んだ。
結構な繁盛ぶりだったが、
私が入店した途端に
視線が集まった。
そりゃそうだ。
だって、普通は妊婦が単身で
訪れる場所ではない。
私
「すみませ~ん!
サリイさんって女性は
いらっしゃいますかー?」
と大声で入り口から
店内に呼びかけてみた。
すると1人の若い女性に
周囲の視線が集まった。
サリイ
「あの。私…ですが」
私は彼女を見て納得した。
華奢な体つきで
少年のようにほっそりした脚。
確かに10数年前の私と
全体的な雰囲気が似ていた。
とはいえ、サリイは取り立てて
言うほど美人ではなかった。
確かにブスではないけど、
十人並みの女性がメイクを
頑張って雰囲気美人を
目指したけど目指しきれません
でしたって感じ。
まあ、飛びぬけて
美人だったらこんな片田舎の
キャバじゃなくて
銀座か六本木あたりで
頭角を現しているはずだから、
当然と言えば当然か。
サリイを確認した私は、
先制パンチを
食らわせることに成功した。