夫
「そんなにデブって
腹の子は大丈夫なのかよ。
あ、もしかしてブタの子だから
ブタになる?
俺、そんな子どもの
面倒を見るの、嫌だわーw」
こんな心無い言葉を次々と。
太った、豚だと言われても私の
体重はまだ適正体重に
達していない程度だったのに。
そしてこの頃から夫は
私とお腹の子への興味を
急速に失っていった。
元々夫は華奢で折れそうな
体形の女性が好みなのだ。
これは本人の言動もあり、
交際中から私も理解していた。
だから標準体重に近くなった
私の体形も、夫の好みから
外れた、
ということなのだろう。
私は自分の体形が華奢で
儚げだって自慢に思ったことは
なくて、寧ろ鶏ガラみたいで
貧相だってコンプレックスを
感じてた。
ふっくらと柔らかなラインの、
女性らしい体形に強い憧れと
劣等感を持っていた。
だからこそ、夫が私の体形を
好きだと言ってくれた時は
嬉しかった。
そんな夫にとって
私が女性らしい体つき
に近づくことは、醜くなって
いくことと同義だったんだ。
私は体調が
悪くなってきたこともあって
パートをやめ、家にいる時は
横になっているか
食べているか。
そんな私の姿は、夫にとって
妊娠を理由に
だらけているようにしか
見えないようだった。