義母
「それに…細腕なんて
言ってるけど、この子…
物凄い勢いで抵抗するから
大変だったのよ?怪力よ、剛力よ。
こんなに腕っぷしが強いのに、
か弱い振りをするなんて、
怖い子だわ~。
ガリガリの体から
よくこんな力が出るものだって
舌を巻いたのよ、私。
キョウヤもどうして鶏ガラ
みたいなのがいいのかしらね?
顔だって遥かに
トウ子ちゃんの方が可愛らしいし、
ふっくらして触り心地も
良さそうなのに。
…理解に苦しむわ」
一気にまくしたてる義母。
褒めているつもりで微妙に
私の心も削ってくるのが
天然由来性分か。
こんな義母に私は慣れているが、
アイリは違う。
アイリ
「な、なによ、
何なのよ~!
なんでよそのオバサンに
こんな事を
言われなきゃいけないのよ~!」
義母の天然砲をもろに食らい、
泣き崩れてしまったのだ。
カ・オ・ス。
そろそろ陣痛の感覚もいよいよ
狭まってきたし、
休ませてほしい…。
その時、ガラリ、と
再び陣痛室のドアが開いた。
まだ何か始まるのか、勘弁して…と
思っている所に登場したのは義父。