浮気

臨月の私を放置。ド天然義母が張り切った結果【12】

 

義母

「それに…細腕なんて

言ってるけど、この子…

物凄い勢いで抵抗するから

大変だったのよ?怪力よ、剛力よ。

 

こんなに腕っぷしが強いのに、

か弱い振りをするなんて、

怖い子だわ~。

 

ガリガリの体から

よくこんな力が出るものだって

舌を巻いたのよ、私。

 

キョウヤもどうして鶏ガラ

みたいなのがいいのかしらね?

 

顔だって遥かに

トウ子ちゃんの方が可愛らしいし、

ふっくらして触り心地も

良さそうなのに。

…理解に苦しむわ」

 

一気にまくしたてる義母。

 

褒めているつもりで微妙に

私の心も削ってくるのが

天然由来性分か。

 

こんな義母に私は慣れているが、

アイリは違う。

 

アイリ

「な、なによ、

何なのよ~!

なんでよそのオバサンに

こんな事を

言われなきゃいけないのよ~!」

 

義母の天然砲をもろに食らい、

泣き崩れてしまったのだ。

 

カ・オ・ス。

 

そろそろ陣痛の感覚もいよいよ

狭まってきたし、

休ませてほしい…。

 

その時、ガラリ、と

再び陣痛室のドアが開いた。

まだ何か始まるのか、勘弁して…と

思っている所に登場したのは義父。