浮気

臨月の私を放置。ド天然義母が張り切った結果【10】

 

まあ、陣痛の感覚が少しずつ

狭くなってくる中で

そんな話を聞かされる私も、

今思うと夫とアイリと同じか

それ以上に修羅場だったと思う。

 

それでもオドオドしながら

義母の後ろに立っているしかない

2人を見て、

私は胸のすく思いがしたのは事実。

 

本当は罵声を浴びせたかったけど、

そんな余裕はなかった。

 

「出産が終わったら覚悟しな。

離婚。慰謝料」

 

と振り絞るように伝えると、

夫とアイリの顔色が変わって

震え出した。

 

不倫なんてのは、

そういうリスクを抱える覚悟が

あってやってるもんでしょーが!

根性なしどもめ!

 

ここでも夫は

私の地雷を踏みぬいた。

 

「たった、たった1度の過ちだろ?

今回だけは見逃してくれ。

 

俺たちの関係って

そんな脆いものだったのか?」

 

アイリも

夫の話に乗ることにしたようだ。

 

アイリ

「そうよ!本当に今回は

私達、どうかしてたのよ。

私とトウ子ちゃんの仲じゃない。

どうか大目に見てよ。

 

もうキョウヤさんとは

会わないって約束するから!」

 

義母の

「1回だけだと言い訳されたら、

どうしようもない」

という言葉が

現実のものになりかけるとは…。

 

ただでさえ陣痛の痛みで

気が遠くなりそうなのに、

あまりに馬鹿な言い分に

眩暈すらしそうだった。

横になっているのにね。

 

たった1度だとしても、

浮気はダメだろう!