まあ、陣痛の感覚が少しずつ
狭くなってくる中で
そんな話を聞かされる私も、
今思うと夫とアイリと同じか
それ以上に修羅場だったと思う。
それでもオドオドしながら
義母の後ろに立っているしかない
2人を見て、
私は胸のすく思いがしたのは事実。
本当は罵声を浴びせたかったけど、
そんな余裕はなかった。
私
「出産が終わったら覚悟しな。
離婚。慰謝料」
と振り絞るように伝えると、
夫とアイリの顔色が変わって
震え出した。
不倫なんてのは、
そういうリスクを抱える覚悟が
あってやってるもんでしょーが!
根性なしどもめ!
ここでも夫は
私の地雷を踏みぬいた。
夫
「たった、たった1度の過ちだろ?
今回だけは見逃してくれ。
俺たちの関係って
そんな脆いものだったのか?」
アイリも
夫の話に乗ることにしたようだ。
アイリ
「そうよ!本当に今回は
私達、どうかしてたのよ。
私とトウ子ちゃんの仲じゃない。
どうか大目に見てよ。
もうキョウヤさんとは
会わないって約束するから!」
義母の
「1回だけだと言い訳されたら、
どうしようもない」
という言葉が
現実のものになりかけるとは…。
ただでさえ陣痛の痛みで
気が遠くなりそうなのに、
あまりに馬鹿な言い分に
眩暈すらしそうだった。
横になっているのにね。
たった1度だとしても、
浮気はダメだろう!