夫
「そ、それは、
えっとその…こ、この子の
相談を聞いてたんだよ!」
夫の言い訳は到底無理がある。
義母
「素っ裸で聞く相談って、
何だい!?」
夫
「そ、それは…」
義母
「とにかく、
ちゃっちゃと服を着な!
そうしたらトウ子ちゃんの
病院に行くんだよ!」
アイリ
「あの、私は遠慮します…」
アイリは
私の病院に行くことを拒否した。
そりゃそうだろう。
自分が浮気相手とわかっていて、
本妻の出産現場に立ち会う度胸が
ある人間など、そうそういない。
義母
「よその旦那に
手を出しておいて、
遠慮も何もあるか!
そんな気持ちがあるなら、
最初から大人しく
遠慮してればいいでしょうが!」
天然の義母の発言にしては、
ド正論だ。
義母は嫌がる
アイリの髪の毛を引っ掴んで
ドアまで引きずったらしい。
陣痛室に現れたアイリの髪型が、
妙にファンキーなことに
なっていたのは
そういうことだったのかと
私は納得した。
とにかく、義母の迫力に
気圧されした2人は
義母に言われるがままに
私の元へと来たということらしい。