義母
「探偵なんて入れたら
いくらお金があっても
足りないわよ!
任せなさい!!
この私が尾行してあげるわ!」
義母、大張り切りである。
まあ、息子の尾行であれば万が一
不審者と思われても
何とでも説明できる。
義母は探偵ファッションに
こだわりがあるようで
キャッキャと、どういう服装で
尾行するか検討しだした。
多分、昭和末期~平成初期の
ドラマの見過ぎな気がする。
サングラスや帽子など、
却って
目立ってしまうではないか…。
私の心配と戸惑いをよそに、義母は
義母
「これだけは譲れないわ!」
と言って、私の着古した
ベージュのトレンチコートを
引っ張り出してきた。
まあ、それくらいなら…と
私も特に咎めずに貸し出した。
この後、私は義母の驚異的な
行動力と運の良さに
舌を巻くことになる。
義母は早速、夫の行動を
監視しにかかった。
調査開始初日、さっそく
義母センサーに夫の行動がヒット。
義母は夫が会社から
出てくるのを待ち、尾行開始。