天然だって気づく前は私は
義母が苦手だったが、
もう慣れてしまったため無邪気な人
だと思うことにしている。
私
「手を…繋いでたんですか?」
義母
「そうよぉ!やんなっちゃう!
トウ子ちゃん、
これ…きな臭いと思わない?」
確かに、妻帯者が妻以外の
大人の女性と手を繋いで歩くなど、
よほどのことが
なければないだろう。
しかし、夫が妊娠中の妻を
放っておいて外で女と
浮気をする人間だとは
思いたくない気持ちもあった。
私
「確かに変ですよね…。
私、ちょっとスマホとか調べて…」
私が言い終わらないうちに、
義母がかぶせてきた。
義母
「そんな呑気じゃダメよ!
ここはキッチリ調べ上げて、
白黒はっきりさせないと!
妊娠中のトウ子ちゃんに
心配をかけるなんて、
そもそも言語道断だわ!」
なぜか私以上に
ヒートアップしている義母。
私は若干引き気味だ。
義母
「キョウヤの行動をきちんと
見張らないと!
あ、トウ子ちゃんは家で
大人しくしていてね。
大事な時期だから」
私
「そうすると探偵にでも
依頼する形になりますか?」
随分と思い切ったことを
するのだな、と思っていたら
義母の提案は
予想の斜め上を行くものだった。