私
「そうね。
たしかに私がアニソンに
乗せて作った作り物だよ。
だけど、編集も何もしてない
元データもあるわ。
ここにいる
全員に見てもらう?」
後で聞いた話だと、
私の目は
全く笑ってなかったのに
唇の右端だけが吊り上がり、
モニターの光が絶妙な
ライティングで
相当怖かったらしい。
夫
「か、解散だ解散!
お、おい!でるぞ!」
夫が無理に
全員を散らそうとするが、
さすがに同僚たちも
黙っていなかった。
男性同僚
「さすがに
弁明くらいしろ!」
女性同僚
「パートの女性と
浮気だなんて、酷いです!」
と避難囂々。
言葉で袋叩きにあっていた。
そんな時、
カラオケルームのドアが
ノックされた。
1次会の後、社長と一緒に
別れたはずの
課長がそこにいた。
夫とナツメをボコすのは
同僚たちに任せて、
私が課長を室内に招き入れる。
課長
「すまないね。
うちのが迷惑を掛けた」
と頭を下げる課長。
「うちの」とは?
一瞬フリーズした
室内がすぐに騒然となる。
ナツメは
課長と結婚していたのだ。