女性陣は私の顔を伺いつつ、
冷ややかな目を夫とナツメに
向けていた。
数曲歌い終わり、
しばし和やかな歓談ムード。
夫が男性陣とバカ話で
盛り上がっている隙に、
私はナツメの隣に移動。
このメンバーの中で仕事中を
含めて1度も話したことがない
のはナツメだけだった。
だから話を
してみようと思ったのだ。
私
「こんにちは。
はじめまして、ですよね」
ナツメ
「はじめまして」
こんな感じでスムーズに
自己紹介をし終わった後、
私はナツメの
左手の薬指に目を向けた。
私
「ナツメさんって
ご結婚されてるんですか?」
ナツメ
「ええ、まあ」
歯切れの悪い
答えを返すナツメ。
私
「あれ?もしかして
あまり上手く行ってなかったり
します?」
ナツメ
「うーん、
別にそういうわけでも
ないんですけど?」
私
「そう?でも、旦那さんと
上手く行っていたら、
よその旦那にシナを
つくってもたれかかるなんて
しませんよ~」
酔いを利用して、
言いたいことをぶつける私。
ナツメ
「あ、あはは。
ちょっと酔っぱらって調子に
乗っちゃったかも~」
私
「そんなことも
ありますよね~。
仕事に家事に追われてて、
ストレス発散も
大事ですよねぇ~」
アハハ、ウフフ。
キャッキャとはしゃいだ後。