私は駐車場を確認。
やはり夫の車がうちの
駐車スペースに停めてある。
私は車のスペアキーを
バッグから取り出すと、
中に乗り込んだ。
この時は体調が
悪いことなんて吹っ飛んで、
「証拠を掴んでやる!」
という気概だけで動いていた。
まあ、そんな大した
証拠なんてなかったけども。
でも、助手席の
ドリンクホルダーに残された
まだ温かいカフェラテや、
私も夫も使っていないコロンの
残り香だけでも、
十分にギルティだった。
私はマンションから
少し歩いたところにある
カフェで2時間ほど過ごし、
帰宅した。
その頃にはもう夫は
自宅から出ていた。
栄養剤で一時的に
元気になっていた私は
その反動か、
そのまま寝込んでしまった。
寝込んでいる間、夫は最低限の
食事の用意や
洗濯はしてくれた。
そこだけは感謝している。
回復した私はさっそく、
夫を問い詰め…はしなかった。
もっと大きな証拠を
つかむために
1カ月ほど泳がせたのだ。
夫はそれに気づくことなく、
私も普段通りの生活を
している風を装っていた。
ああ、そういえば私に
言いがかりじみた喧嘩を
吹っかけて、休日や夜を
外で過ごすことが増えた。