フミヤ
「悔しかったら
俺と同じくらい稼いでみろよ!
できるのか?
できねーだろーな!ww」
と言いたい放題
されるだけだった。
私は頭の回転が速くないので、
その場で
黙り込むしかできなかった。
今思うともう少し
イメトレをしておけば
良かったのにと後悔している。
そのうち、義両親や
私の実家の両親からも
さりげなく
「孫はまだ?」と
聞かれるようになった。
この頃はまだ自分を
騙し騙ししながら、
夫とも夫婦関係を
維持できると思っていたし、
私としても20代のうちに
子どもが欲しかった。
「子は鎹」という言葉に
縋りたかったのかもしれない。
私
「ねえ、私達
そろそろ子どもを考えても
いい頃だと思うんだけど」
私は夫にそう切り出してみた。
フミヤ
「ん~?子ども?
子どもねぇ。
正直に言って、
子どもは別にいらないかな」
私「え?」
フミヤ
「子どもが出来たら、
どうせキヌ子は
早く帰ってこいだの、
もっと家事を手伝えだの、
俺に要求するだろ~?
無理無理w
だったら作らない方が
いいじゃん。」