浮気

私の貯金を充てにして駆け落ちした夫【13】

 

「金、金、金って、俺以上に

金に執着してたのは誰だよ!

そもそも俺は写真だけでも

いいって言ったのに、

フロリダで式を

したいって我儘を抜かしたのは

お前だろ!

 

だったら、お前も少しくらいは

出そうって気がないのか!」

 

ナナコ

「ふざけないでよ!

アンタがどうしても

私と結婚したいって頼み込むから、

せめて私の希望は叶えてよ、

ってことでしょう!

自分の金がないどころか、

嫁頼りの男なんて願い下げだわ!」

 

「何だと、この守銭奴!

こっちだってお前みたいな

銭ゲバ女、愛想が尽きたぞ!」

 

ナナコ

「それはどーもー!

じゃー、私はこれで」

 

ガシ。

 

私はどさくさに紛れて逃亡しようと

するナナコを捕まえた。

 

「お待ちなさい、

ナナコちゃーん。

お話はまだ済んでないわよ~」

 

ナナコ

「ひぃ!」

 

「私、あなたのお顔とお名前は

知ってるけど、

住所は知らないのよ」

 

ナナコ

「だから、何なんです?」

 

「でもね、夫と職場が一緒だって

いうのは知ってるわ。

だからね。

慰謝料請求の内容証明。

来週中に勤務先に届くからね。

 

逃 げ ちゃ だ め よ。

もし、そんなことをしたら、

そこの男からあなたの

ご実家の住所を聞き出して、

そっちに送り付けるから。

ご両親…

きっとびっくりしちゃうわねぇ」