夫をブチのめしながら、
結婚式の支払いの宛が
なくなったことに気づいて
青ざめるナナコ。
いやいや、他人からくすねた金で
海外挙式とか、それこそ
「神経を疑う」んですけど?
夫
「トウ子、一生に1度のお願いだ!
お前の貯金の半分とは言わない。
せめて3分の1でいいから、
俺にくれ。
頼む、この通りだ」
突然、下の方から声がしたと
思ったら、夫が這いつくばるように
土下座の姿勢を取っていた。
私
「浮気相手との結婚式のための
お金を出す嫁なんて、
この世にいると思うの?」
アキナ
「いないよねー♪」
私
「ねー♪」
私達母子に揶揄われても、
夫は頭を上げなかった。
ナナコ
「は?
その程度の貯金もないの?
嫁の金しか当てがないわけ?
嘘…、私、とんでもない男に
引っかかっちゃった?」
現実を直視したのか、ナナコが
急に冷静なことを言い出した。
私達の言葉には
無反応だった夫だったが、
ナナコのセリフは
ぐっさり刺さったようだ。