こっちは病人だから気遣え!
というつもりはない。
けれど、3年も家族として
過ごしてきた
相手に向ける言葉としては
あまりにも
冷酷ではないだろうか。
私は、震える声で
抗議するのが精一杯だった。
私
「で、でも、状況によっては
妊孕性温存手術もできるって、
お医者さんは仰っていて」
義母
「状況によっては、
でしょ?
結局お腹を開かないと
わからないじゃない。
それに卵巣がんって
ステージ1でも卵巣が両方とも
ダメになってる場合も
少なくないんでしょ?
転移の可能性だって
あるわけだし、手術した後
だって抗がん剤治療も
あるじゃないの!息子に
そこまで付き合わせる気?」
義父
「不確かすぎるし、
仮にもう片方の卵巣が無事でも
手術後いつになったら
子どもが持てる
かわからないじゃないか。
君も今年で30になるし、
タイムリミットが
すぐそこだって
知らないはずはないだろう」
私の弱弱しい抗議は
あっという間に
握りつぶされてしまった。
夫
「ごちゃごちゃ
言ってないで、サッサと
書いてくれよ。
あ、俺の心配は
しなくていいからな。
お前みたいな
欠陥品じゃなくて、卵巣も
子宮も健康な
若い子が他にいるから」
義父
「随分準備が
いいじゃないか。
これなら
孫もすぐに抱けそうだ」
義母
「そういう良いお嬢さんが
いるなら、さっさと
報告しなさいよ~」