私はキヌ子。
夫とは26歳の時に出会い、
1年後に結婚。
結婚当初はまだ20代だから
そのうち子どもも
授かるだろうと
楽観視していた。
ところが、結婚して
2年が経ち30を目前にしても
妊娠の兆候は見られなかった。
子どもが欲しかったので
避妊はしていない。
結婚する前の時点で
既に義両親から、
義母
「早くうちの跡取りの顔が
見たいわ」
義父
「男も女も、子どもを
持ってやっと1人前だからな」
という孫産め攻撃を
頻繁にされていた。
結婚後2年経って、
夫婦生活を営んでいるのに
子どもができないと
不妊と判断されると聞き、
不安になった私は
夫に切り出した。
私
「ねえ、そろそろ
年齢のこともあるし、1度
病院で検査をしてみない?」
夫
「は?なんで?うちの家系に
不妊症なんていないんだけど?
病院って平日だろ?
俺に仕事を休めって?」
私
「もし私だけ検査を受けて
何もなかったら、
あなたは1人で病院に行く?」
夫
「…」
私「2度手間でしょう?
だったら1度に
済ませてしまった方が
早いと思ったのだけど」
夫「チッ。わかったよ」
渋る夫を説き伏せて、
私達は検査を受けた。
結果は…私の方に
大問題が発生した。
卵巣がんだった。